
「まだ大丈夫」「まだ早い」と言い続けた社長が、決断に至るまでのプロセス
経営者が健康で現役を続けている場合、自身の健康状態と、後継者の力不足を理由に承継の議論は後回しにされがちです。本事例では、社長自身の「退く覚悟」を設計し、自然な形でバトンタッチを実現しました。
クライアント概要
- 業種:建設業
- 所在地:富山県
- 社員数:40名
- 資本金:3,000万円
- 登場人物:社長(77歳)、後継者(息子・42歳)
課題背景
社長は創業者で77歳。後継者候補の息子が42歳で十分な実力を持っていたにも関わらず、「まだ力不足」「まだ自分ができる」と承継を先送りしていました。その結果、社長を説得できない後継者候補に対して周囲が失望し、将来に不安を覚えた若手社員の退職も増えていました。
コンサルティング支援内容
まず、現社長に対して、事業承継完了の定義と一般的にかかる期間を丁寧に説明。「いま健康である」という事実は「事業承継を先送りにして良い理由にはならない」という事に納得してもらい、事業承継計画を一緒に策定。
一方で、「後継者の経営能力に対する不安」がぬぐえなかった為、後継者に対して「この条件を満たさなければ、また自分が社長をする」という基準を設けた上で、期間限定での引退の実施を支援しました。
結果・効果
期間限定であることで、社長もその期間は出社をせず、相談をされない限り口を出さない環境が実現しました。
その後、社長の心配をよそに、後継者は期間内に社長が設定した基準を見事にクリア。その結果、社長も「出来ないのではなく、任せていなかっただけだった」と後継者の能力に対する不安は解消。
また、社員もその過程と結果を見ており、社内の後継者に対する見る目も大きく変わりました。
ポイント・学び
・「まだ健康だから大丈夫」は、問題の先延ばしに過ぎず、本人以外はその状況を危惧している。
・経験が違うので、現社長から見た時に「後継者が力不足なのは当たり前」と認識する必要がある。
・後継者の仕事が見える環境では口をだしてしまう為、出社しないなど、見えない環境を意図的に作る事が重要。

