CASE

承継支援の想定事例

親族内承継支援の事例のご紹介です。

会議で揉める経営者親子
2026.03.17

親族内承継後に発生した“嫉妬と不満”を整理し、経営体制を再構築

父親から長男へ事業承継した後、経営者間の嫉妬や待遇格差への不満が表面化し、組織が混乱。第三者として介入することにより、家族関係と経営体制の両面を整え、事業の安定運営を取り戻した事例です。

クライアント概要

  • 業種:地域密着型サービス業
  • 所在地:千葉県
  • 社員数:16名
  • 資本金:1,000万円
  • 登場人物:  会長(父・76歳)、社長(長男・48歳)、専務(次男・45歳)

課題背景

親子、兄弟の対立

創業者が高齢となり、かねてより会社に参画していた2人のご子息に対し、兄が社長、弟が専務として親族内承継を実施。スムーズな事業承継後に、兄は順調に業績を伸ばし、経営状態は非常に良い状態で推移していました。しかし、数年後に、父親は「自分の時より業績が伸びている」ことに複雑な感情を抱き、兄の方針に口出しするようになり、徐々に父と兄の関係が悪化していきました。その中で、弟は「兄ばかりが評価され待遇も良い」と不満を募らせ、兄弟間の関係も悪化。

結果的に「兄 対 父&弟」という対立構造を招き、社内が混乱。家族間の感情問題が経営判断に影響し、事業に影響を出し始めました。

コンサルティング支援内容

まず、客観的な第三者という立場で、経営者3名と社員から個別でのヒアリングを実施した後に、父、兄、弟の3名と共に、月に一回会社の未来について話し合いを実施。客観的な第三者として感情的なやりとりにならないよう進行役を務めました。

感情問題が収束した後、兄を中心に父、弟の3名による経営計画書の策定を支援しました。

結果・効果

承継計画の打合せ

第三者がいることで、家族だけの話し合いに比べて、感情的な話に発展しづらい空気を醸成できました。長男は感情問題に発展したことで、父と弟に素直に感謝の意を伝えられていなかった点と、敬意の無い対応をしてしまった点を反省。自ら感謝と謝罪をする事で、父と弟の兄に対する感情が少しづつ軟化していきました。

父には「ご長男が事業を成長させられているのは、あなたが安定した経営基盤を築いたからでこそであり、そのことは長男を始め、社員の皆さんが認めて感謝していることです。このまま皆さんに尊敬される創業者としてリタイアするか、晩節を汚してリタイアするか、どちらがあなたの人生にとって良い選択ですか?」という質問を投げかけ、自ら引退の決断を促しました。

また、父の想いも踏まえた経営計画書を兄中心で作成することで、父の複雑な感情も解消しつつ、今の経営体制の理念や方針、職務上の役割、創業家の会社への関わり方、などが明文化できました。

ポイント・学び

・事業承継が「経営課題」から「感情問題」に変わった時に揉め事に発展する。

・事業が上手くいっていることさえも、「感情問題の引き金」になる。

・無関係な第三者がファシリテーションをすることで、感情的な言い合いになりづらくなる。

・きちんと引導を渡して引退してもらう事が重要。

・経営計画書として方針や役割、創業家の関わり方などを明文化することで、後々の感情問題の芽をつめる。