INFORMATION

インフォメーション

親族内承継支援サービスから新しいお知らせのご案内です。
最新の情報をぜひご確認ください。

2026.08.18
ブログ

ファミリーガバナンスにおける 意思決定の仕組みとは?

企業の永続的な成長には、客観的で透明性の高い意思決定が不可欠です。
しかし、ファミリービジネスにおいて、家族関係というファクターが意思決定に強い影響を与えているケースは少なくありません。

当記事では、経済産業省発表のファミリーガバナンス・ガイダンスを参考に、
次の世代を見据えたファミリーガバナンスの考え方と、企業価値を守りながら継続した発展を目指すための意思決定の仕組みについて解説します

<目次>

ファミリーガバナンスの特殊性とは?

ファミリービジネスにおいては、一般的な企業ガバナンス(コーポレートガバナンス)を導入するだけでは十分とは言えません。
その理由について、一般企業との構造的な違いから見ていきましょう。

コーポレートガバナンスとの違い:「経営」「所有」「家族」の混在

一般的なコーポレートガバナンスは、主に「経営」と「所有」を切り離し、客観的な監督や経営判断を実現する方法です。
一方、ファミリービジネスでは、経営者が株式を保有する株主でもあり、さらに創業家や家族であるケースが多く見られます。

一般的な企業 別人 客観的な監視が効く
ファミリービジネス 身内 感情が混ざり、客観的な監視がしにくい

このような「経営」「所有」「家族」が重なり合うという特徴を踏まえ、適切なルールや体制を整備するのに必要なのが、ファミリーガバナンスです。

固有のリスクに備えるための、ファミリーガバナンス

ファミリービジネスには、ビジネスの論理に対して家族の感情が侵入しやすいという固有のリスクが存在します。
このリスクに対し、経済産業省が発表した「ファミリーガバナンス・ガイダンス」ではファミリーガバナンスを構築することを提唱しています。

”家族”という特有の要素まで考慮した上で、
所有と経営の分離を適切にコントロールすること、客観的な合意形成の仕組みをあらかじめ構築しておくことが、企業の安定に直結します。

【チェックリスト】我が家のガバナンスは大丈夫?

「今は何も問題ない」と思っていても、時の経過とともに新しい課題が浮き彫りになることがあります。以下の一覧で自社の現状をチェックしてみましょう。

1. 理念・方針の共有
[  ] 家族の思いや創業の精神、会社の目的が、文書にして残されている
[  ] 会社の将来について家族で話し合う場がある

2. 株式と資産管理
[  ] 相続や事業承継の際に自社株をどう引き継ぐか、対策やルールが決定している
[  ] 会社経営に関与しない親族の同意を明確に得ている
[  ] 個人の財産と法人の財産の線引きが区別されている

3. 人事と承継のルール
[  ] 親族が入社・昇格する時の納得感ある基準や要件がある
[  ] 親族以外の従業員も公平に評価され、力を発揮することが可能な環境である

4. 透明性と第三者視点
[  ] 家族の取り決めを、従業員や取引先、お客様へも説明できる
[  ] 冷静に助言をくれる外部のサポート役がいる

1点でも気になる点があれば、仕組み化を検討する機会と捉えましょう

「意思決定の仕組み」作成プロセス

では、ファミリーガバナンス構築のため、意思決定の仕組みを作成するプロセスを見ていきましょう。

【ステップ1】「ファミリー憲章」の策定

まずは家族の決まりを明文化した「ファミリー憲章」を作ります。
ファミリー共通の理念や価値観、ビジネスと家族の関わり方の基本方針、次世代への教育方針などを言葉で表します。この憲章は、一族の在り方や関係性を定義し、将来の紛争や対立を未然に防ぐためのルールの土台となるものです。

【ステップ2】「ファミリー会議・評議会」の立ち上げ

憲章を基礎として、家族が集まって公式に議論する「ファミリー会議」を運営します。
会議の参加するメンバーや議決権のルール(多数決か全員一致か)を規定し、定期的に開催します。この場は、私的な感情を排し、ファミリーとしての意思決定を円滑に行うための重要な機能を担います。

【ステップ3】「株式」と「人事」の具体的な仕組み化

実際に家族間で問題になりやすい部分は「株式」と「人事」です。
例えば、「親族間での株式分散の防止について」や、「後継者の選定や育成について」などは、より具体的に整理して調整する必要があります。

専門家の活用が成功の鍵
これらを身内だけで進めるのは現実的ではありません。法的・税務的な知識も絡む複雑な事項かつ、家や財産に直結する内容であるため、一歩間違えるとお家騒動のような問題に発展する可能性もあります。専門家などの外部リソースに相談し、実務面での支援を受けながら進めるのが確実です。

意思決定の仕組みを持続させるために

意思決定の仕組みは策定して終わりではありません。
仕組みを形骸化させないためには、以下の視点が不可欠です。

仕組みの「家族外」への波及

身内で合意した指針は、企業のステークホルダー(従業員や取引先、金融機関など)へ適切に開示・共有していくことが求められます。
家族の決め事が可視化され、総会などの公式な場で適切に報告・共有されることは、企業の透明性を高め、企業の価値の向上やガバナンスの強化にもつながります。
また、「外部の目」を意識させることは、家族が感情で動くことへの抑止力にもなります。

「ファミリー憲章」の定期見直し

家族の状況や事業を取り巻く環境は、常に変化します。
そのため、新たな課題の発生に対応できるよう、〇年に1度など、あらかじめ見直しのタイミングを定め、管理・運用の仕組みとして組み込んでおくことが重要です。
このような定期的な見直しは、家族全体で方針や意思を共有・理解する機会となり、長期的な視点でガバナンス意識を醸成するうえでも有効です。

まとめ

・ファミリービジネスには、一般的なコーポレートガバナンスに加えて独自の意思決定の仕組み=ファミリーガバナンスが必要。

・ファミリーガバナンスは、「ファミリー憲章の策定」「ファミリー会議の立ち上げ」「株式・人事ルールの具現化」によって構築する。

・策定後、形骸化させないための工夫もルールに入れる必要がある。

家族間でのコミュニケーションを重ね、専門家の助言を得ることで、会社の利益を守り価値を維持するガバナンスを築く事ができる。

弊社(石塚 株式会社)のご支援について

ファミリーガバナンスについて、もっと話を聞いてみたい、自分のことを相談したい。そんな方のために、弊社では随時講演や相談を行っております。
以下の2つの支援策に加え、実績豊富な承継専門の税理士・弁護士のご紹介も行っております。ぜひお気軽にお問い合わせください。

  • 事業承継学: 全6回(前半4回は会社を問わない理論学習、後半2回は各社様の状況を踏まえた優先論点の整理)を個別指導で行います。ファミリーガバナンス形成に関する理論と実務の急所を余すことなくお伝えします。託す人と継ぐ人の双方が決意を固め、経営のバトンを繋ぐための能力を養います。
  • 伴走型コンサルティング: 毎月の面談を通じて、理念の策定から、意思決定の仕組み、承継やファミリー関与のルール設計、対外発信、実行まで、実際に経験した人間だからこそできる経営現場に即した具体的な支援を行います。その他にも事業承継以外の経営課題や後継者育成のご相談にも対応いたします。

まずはWebやお電話からお気軽にお問い合わせください。セミナーへの参加や資料のダウンロードも無料でご利用いただけます。

 

【お問合せはこちら】

【資料一覧ページはこちら】