2025.10.30
社長の急病で突発的な承継対応【建設業のケース】
「まだまだ元気」と言っていた社長が突然倒れ、会社は一気に混乱。
後継者が育っていない中、どう危機を乗り切ったのか。
クライアント概要
- 業種：一般建設業
- 所在地：埼玉県
- 社員数：40名
- 資本金：3,000万円
- 登場人物：現社長（63歳・療養中）、長男（26歳・営業職）
課題背景
ある日突然、社長が脳梗塞で倒れ入院。社内では「誰が次を担うのか」と動揺が広がり、現場指示が滞り始めた。
息子は入社2年目で経験不足。銀行も融資継続に不安を示し、事実上の“経営空白”が発生した。
日常業務と経営判断を同時に担う幹部への負荷が限界に近づいていた。
コンサルティング支援内容
最初に行ったのは「3カ月限定の暫定経営体制」づくり。
社長の信頼厚い工事部長・経理課長・外部税理士を中心に経営会議を設置し、意思決定を委任。
並行して、後継予定の息子に「経営基礎集中プログラム」を実施。
財務諸表の読み方から取引先対応、金融交渉の基本まで、現場と並行して学ぶ体制を整えた。
また、金融機関には「回復までの経営継続計画」を提示し、資金繰り支援を確保。
最終的に、息子が「社長代行」として社内外に立つ環境を整備した。
結果・効果
3カ月で現場体制は安定。父の回復を待つ間も、取引先との信頼関係は維持された。
半年後には息子が代表取締役に就任し、業績を前年並みに維持。
父は療養に専念しつつ、「この体制なら安心して任せられる」と語った。
ポイント・学び
事業承継は「いつかやる」ではなく「今整える」ことが重要。
緊急時の代行体制・権限移譲・金融機関説明の3点セットが、会社を守る生命線となる。