
2025.10.30
親族株主との対立を整理し経営権を安定化【卸売業のケース】
親族が株式を持ち合う中、経営判断に毎回意見が割れる。
「親族だから言いづらい」をどう解決したのか。
クライアント概要
- 業種:建材卸売業
- 所在地:新潟県
- 社員数:35名
- 資本金:2,500万円
- 登場人物:現社長(64歳)、後継者(息子・38歳)、叔父・叔母(株主)
課題背景
創業時に親族から出資を受けたため、叔父が30%・叔母が10%の株を保有。
後継者就任にあたり、叔父が「経営に意見できる立場だ」と発言。
株主総会の度に議論が紛糾し、承継が進まない状況だった。
コンサルティング支援内容
ず、親族株主会を新設し、経営と株主の「役割の線引き」を説明。
経営権と議決権の関係を明文化した「株主間契約書」を作成した。
合わせて、家族の関係性を整理するために“感情の可視化”ワークを実施。
「応援したい気持ちはある」「でも発言の場が欲しかった」といった本音が共有され、対立の根が解消された。
最終的に、一部株式を後継者へ譲渡し、叔父・叔母は名誉株主として関係を継続。
結果・効果
経営判断のスピードが上がり、幹部のストレスも軽減。
半年後には新事業の立ち上げがスムーズに進行し、粗利率も改善した。
親族関係も良好に保たれ、正月の集まりも再開された。
ポイント・学び
親族経営の最大の課題は「立場の混在」。
法的整理と感情整理をセットで行うことで、信頼と統治の両立が可能になる。

