
2025.10.30
兄弟の意見対立で止まった承継を、中立的支援で再始動
後継者候補が兄弟2人というケースでは、家族感情が絡んで議論が止まることも少なくありません。本事例では、感情と論理を切り分ける支援によって、家族の信頼関係を保ちながら承継の合意形成を実現しました。
クライアント概要
- 業種:製造業
- 所在地:富山県
- 社員数:28名
- 資本金:2,000万円
課題背景
創業者の引退を前に、兄(営業担当)と弟(製造担当)が共に後継候補として名乗りを上げました。
両者の意見が食い違い、社内でも派閥的な空気が漂い始めたことで、経営判断が滞る事態に。
外部からの視点を入れ、冷静に議論できる場づくりが求められていました。
コンサルティング支援内容
まず、兄弟双方に個別ヒアリングを実施し、それぞれの「大切にしたい価値観」を可視化。
次に、全社員を交えた承継方針共有ミーティングをファシリテーションしました。
最終的には、経営トップと工場責任者という役割分担を軸に、双方が納得できる形での分業体制を構築。
経営判断に関するルール化も行い、感情的対立を制度的に防ぐ仕組みを整えました。
結果・効果
社内の雰囲気が落ち着き、社員も安心して業務に集中できるようになりました。半年後には新体制が始動し、前年対比120%の売上を達成。兄弟の関係も修復され、互いにリスペクトし合う経営体制が実現しました。
ポイント・学び
事業承継における「家族の関係性」は、最も扱いが難しいテーマです。
外部の第三者が入ることで、感情を安全に扱いながら本質的な議論ができる環境を整えることが可能です。

