
2025.10.30
「まだ早い」と言い続けた社長が、決断に至るまでのプロセス
経営者が健康で現役を続けている場合、承継の議論は後回しにされがちです。本事例では、社長自身の「気づき」を促す対話設計によって、自然な形でバトンタッチを実現しました。
クライアント概要
- 業種:建設業
- 所在地:富山県
- 社員数:40名
- 資本金:3,000万円
- 創業:60年
課題背景
社長は創業者で77歳。後継者候補の息子が40代前半で十分な実力を持っていたにも関わらず、「まだ自分ができる」と承継を先送りしていました。その結果、幹部が疲弊し、若手の退職も増えていました。
コンサルティング支援内容
まず、社内の温度感を可視化するため、社員アンケートと匿名ヒアリングを実施。
「社長が元気なうちに体制を整えてほしい」という声を整理し、本人に丁寧にフィードバック。
次に、社長と息子を対象に「リーダーシップ移行計画」を策定し、1年間の段階的承継スケジュールを設計しました。
結果・効果
社長が「社員に迷惑をかけたくない」と決意し、半年後に正式に社長職を譲渡。
社内の雰囲気は一変し、離職がゼロに。本人も会長職として穏やかにサポート役へ移行できました。
ポイント・学び
「気づき」は外から押し付けるのではなく、本人の価値観を尊重しながら導くことが重要です。
承継とは「退く勇気」を支援するプロセスでもあります。

